帰ってきたブログ生活(2nd)

昔→PMDD闘病記 今→書きたいこと何でも書く雑記ブログ

増やせ語彙力 取り戻せ言葉

私は主に怒ったとき感情まかせでつぶやくことが多い。大人なので流石に「○ね」は使わないけど「バカ」だの「クソ」だの乱暴な言葉を乱用しがちだった。
客やファンにとても不誠実な対応をする企業や著名人、人間に与えられた「想像力」を放棄し心ないことを平気で口にする浅はかな人間に対して強い怒りを覚える。
そうして生まれた怒りをバカだのクソだの幼稚な言葉で発散していた。
そもそも現代のインターネットではバカだのクソだのゴミだの他人や何かを侮辱する言葉ばかりが分かりやすくありふれていて、他人を侮辱する用語が一瞬で流行る。なのに自分の気持ちを細かに表現できる言葉は見つけにくく、誰かに気持ちを伝え表すのは急に誰もができるわけではない。
そんな分かりやすく強い言葉に注目が集まりやすいインターネット社会で生きる我々に豊かな語彙力を身につけ言語化させる方法のひとつが読書なんだと最近ようやく理解した。学生のころは読書が退屈で大切さなんて何も分からなかった。

自戒として私が嫌いなものを目にしたときの感情まかせなつぶやきを公表し残しておこうと思う。
これらは日テレとNHKのコラボ企画で笑点にチコちゃんが登場した日のつぶやきだ。詳細は省くが私はあの番組とチコちゃんが嫌いである。別に番組を批判したいわけではない。
3月12日
チコちゃん嫌いなのに笑点にしゃしゃり出てきて萎える
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3月12日
5才児の面を被ったただのケンコバじゃねぇよかふざけんなよ
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3月12日
あんなんただのゆるふわパワハラ番組だし自分が3か月で辞めた仕事で本当にしんどかったころ毎週金曜日死ぬ思いで帰宅したらチコがついてるのが苦痛で仕方なかった。完全に私怨だけもなんであれ打ちきりになんないの

長い付き合いで大事な友人としか繋がっていない非公開アカウントだけどバーッと感情任せに喚きちらし、後日振り返るとああやってしまったという気持ちになる。いい年しておいて怒りを小学生みたいな語彙力でしか表現できない自分に危機感と羞恥心を覚えた。
後日後悔するくらいなら人と繋がってるアカウントでつぶやかずにスルーする、テレビを消して離れるのが最な解決策の気がする。誰も聞かれてないのに嫌いなものについてつぶやかずにはいられない、まったく嫌な現代病である。

私の大好きな朝ドラ「舞いあがれ!」の登場人物で歌人の梅津貴司くんの存在は言葉に対する認識を改めてくれた。貴司くんは小さいころから優しすぎるが故に自分の気持ちをうまく伝えられず、自分の気持ちをまるで代弁してくれるような詩に魅了され短歌を詠むようになる。自分の気持ちを表す言葉と、自分の気持ちを言葉にして相手に伝えることを何よりも大切にしている。
ドラマが放送終了しても未だ深く印象に残っている私の大好きなセリフがある。
「(ヤバい、キモい、可愛いだけで会話は成立するのだから言葉はこんなにいらないに対して)言葉がいっぱいあんのはな、自分の気持ちにぴったりくる言葉を見つけるためやで」*1
このセリフがもっと言葉を使って気持ちを細かく書くことをやってみようと思ったきっかけだった。気持ちを表し伝える言葉にこだわり続けてきた貴司くんに言われると説得力が増す。主人公以外の登場人物も色濃い人生を歩んでいて本当にいいドラマだったよ。
(全然関係ないけど舞いあがれ!が終わってしまい梅津貴司くんが見れなくなって久しいがかなりつらい、寂しい。ロスである。スマホの画像フォルダが貴司くんだらけになっちゃった。映像作品でますます活躍していく赤楚衛二さんではなく梅津貴司くんが見たいんだ…)

怒ったとき乱用しがちなバカ、クソに頼らずたくさんある言葉を正しく使うには語彙力が必要だけど、かと言って国語辞典を片っ端からめくっていくのは違うのではないかと悩んでいたころに図書館で見つけたのがこちら。
三省堂出版「気持ちを描くことば探し辞典」
「気持ちを描くことば探し辞典」表紙側に図書館のバーコードが貼られてたので帝ナギちゃんで隠しました。
「楽しい、好きよりもさらに上を目指したいあなたへ…」とまさに今の私のためのような一冊だ。
喜怒哀楽、好き、悔しい、謝るとき、美味しいごはんを食べたときなどシチュエーションが細かく豊富で感情ごとに分かれていてとても探しやすい!こんな辞典ほしかった!と目から鱗でした。
図書館の本なので返却しましたが自分の手元に置いておきたい一冊です。

こちらはタイトルが気になってた一冊。読み進めると深刻な社会問題が詰め込まれていた。
石川光太著「ルポ 誰が国語力を殺すのか」
「ルポ 誰が国語力を殺すのか」別で読書感想記事を書こうとしたけどなかなか進まないし、今回の記事にも通ずるところがあるのでここで紹介することにした。
学校の現場で見た子どもたちの国語力の現状が事細かに記されていて、読了してしばらく経っても強く記憶に残っているほど強烈な内容だった。家庭の格差、教育の格差…国語力の低下はスマホやゲームだけを悪者にし規制すれば解決する問題ではなかった。
これは国語力を奪われた子どもたちに焦点が当てられているが、私はこのルポに出てくる子どもたちと同じく国語力のない大人もたくさんいるのでは?と思っている。言葉を使って気持ちを伝えることを諦めずますます便利で分かりやすく強い言葉に飲み込まれないように、大人が良き手本にならなくてはと学生を終えた自分が読んでも背筋の伸びる一冊でした。そして子どもたちを指導する立場である教員の労働環境や古い学校の在り方が改善され格差がなくなってほしいと願うばかりである。


実はこの記事は3月ごろにぽつぽつと書き始め長いこと下書きにしまっていた。3月末をもって完結した舞いあがれ!の総集編が放送される5月5日に書き終えて公開してしまおうと進めていたが、放送中に北陸地方で強い地震が発生したため放送中止になった。
震度6強ってかなり強い揺れですよね。しばらく余震が続きそうですし心配です。石川県、そこにお住まいの方々の無事を祈っています。