帰ってきたブログ生活(2nd)

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推しが1stアルバムを出した-手元にCDがくるまで-

「推し」という言葉が一部のオタクたちの間だけでなく世間一般に使われるようになって久しい。私はこの言葉があまり好きではない。みんなに軽々しく使われる流行りの言葉を好意的に受け取れない。なら代わりにどう表現する?「大好きな人」は何か重たい。相手や周りに危害を加えなければ別に重たくたっていいんだけど、これを生きた人間に使う場合付き合いたい結婚したい願望があるように受け取られそうでなんか違う。「応援してる人」…間違ってないのにしっくりこない。「推し」となるとたった2文字で自分のとってそれがどんな存在かを説明できるこれほど便利な言葉はないだろう。出来たらあんまり使いたくないんだけどね。これは私の気持ちの問題で使う人を責める意図は一切ないので気にしないでください。自分の好きなものをバカにされ続けた結果主語を伏せて書く癖がついてしまったので推しの名前を明かすことはないです。

さて本題の推しが1stアルバムをリリースしました。アルバムが出ること自体は数か月前から告知されていたので当時は楽しみにしてたんです。当時はね。
アルバムが発売される前にリード曲のMVが公開されたけど見なかった。何なら今もまだ見てない。やる気がなさすぎだろ。
MV公開されたころはちょうど寒い日が続いていたので生存最優先の省エネモードで生きてたの。チェックしなきゃとは思ってはいたんだけど、とにかく寒いから早く寝たかった。なんだこの言い訳。
アルバム購入者から抽選で当たるイベントの告知もされたんだけど、抽選じゃちょっとな…と重い腰が上がらず1か月前でも予約していなかった。5年前の自分なら「応募しないと当たらない!」と即予約して申し込みもしただろうに老いたというか、行けると確定したイベントにしか興味が沸かない冒険心がない奴になってしまった。
なんやかんやで発売日2日前になっても予約はしていない有様だった。去年初めて聴いた推しの歌にあんなに感動して心を動かされたのに今回どうしてこんなにやる気がないんだろう。もう好きじゃないのかな、生存最優先なんて言っていた冬の寒さも和らいできたのに自分でも謎だった。

その2日前に推しが発売記念生配信をするとのことで、リビングのテレビに映っている大河ドラマを我慢してリアルタイムで視聴した。これも見なかったら本当に推しに対して興味をなくしてしまいそうでそれは嫌だったから。
私がまだ見ていないMVの撮影裏話を楽しそうに語っている。初めての単独ライブが決まったのでそのころ情勢がどうなっているか分からないけどとにかく楽しみだと嬉しそうに意気込みを語っている。そんな推しの姿を微笑ましく見ていた。
みんなの背中を優しく押すような曲たちだとまるで大きくなった自分の子どものことを話すように誇らしげだった。動いてしゃべる推しの姿は健康に良い。生配信も終わりが近づくと「自分にあんまり自身がないからみんなの応援が本当に嬉しい」と言った。
いまなんて?自信が???ない???
推しはデビューしてたった一年で人気作品の主人公に選ばれあっという間に有名になった超大型新人だった。それがきっかけで私は顔と名前を覚えたし、そんな華々しい経歴をお持ちなら絶対的な自信に満ち溢れていて悩むこともなさそうと勝手に思っていた。なのにあんまり自信がないとはっきり言った。その自信がないを指すのは芝居のほうではないのかもしれない、未成年が大人に混ざってマイクを持ってステージに立っていると勘違いしてしまいそうなあの頃よりもずっと大人の雰囲気をまとうようになられた。そんなに卑下することではないと思う。そんな推しは私より年上です。

過去にリリースした推しの曲には全部をポジティブに振り切らずどこか影があるというか、湿っぽいところがある。
悩み、不安、過去と現在との葛藤…それらを抱くことを否定せず一緒に向き合ってくれそうな「背中を押してくれる」曲だった。年を重ねるとだんだん「ハッピー!キラキラ!恋愛!笑顔!ポジティブ!」の詰め合わせみたいな曲に胃もたれするようになってきた私は推しの曲たちのウエットな部分がすごく心地よかった。ポジティブ全振りソングを好んで聴くときもある。ポジティブは悪いものではないし人生に必要なものだけど、それだけでは生きていけないから。
推しのそういう実は自分に自信のないところとか、「過去の失敗は当時の自分が選んだ精いっぱいの正解」といった物の考え方からあの曲たちは出来上がっているのかな、と結構にわかな私は勝手に推測し腑に落ちたところで生配信は終了した。
「買ってください!いっぱい聴いてください!」みたいな宣伝だらけだったら多分冬の寒さで凍りついたやる気は溶けることなく数か月後に知らない誰かが売った中古を定価以下で買っていたと思う。普段何を考え、どんな想いで歌ったかを話してくれたことに感謝をしてついにアルバムを予約する決心を固めた。生配信ありがとう。

さてどこで予約をしようか?
もらえる特典が購入する店舗によって違うのだが、直前になってもリリース情報のチェックを怠っていた私は特典のことを気にも留めていなかった。本当に失礼なファンだな
生配信で購入特典のブロマイドの話になりラインナップが画面に映される。「これいい!」とたくさんのファンから絶賛され撮影が大変だったと裏話を語ってくれたのでそのブロマイドがもらえるセブンネットで予約することにした。手元に届いた特典を見ると笑った顔に昔の面影があってこれにしてよかったと思った。
初めてセブンネットのサービスを利用した。セブンイレブンで受け取りに設定すれば送料も手数料もかからないし、箱に梱包された状態で渡されるので店員に見られることなくとても快適で便利だった。また機会があれば使いたい。発売日の朝8時に受け取り店舗に到着するとお知らせメールが来たので待ちきれず当日の朝8時にセブンへ行って引き取ってきた。高揚感も相まって朝の澄んだ空気が気持ちいいこと!!!

早速ウォークマンに転送して通勤のお供にする。さあ今から音楽を聴こう!と意気込んで音楽鑑賞するよりも、散歩中や電車で外の景色を見ながらぼーっとしているときに聴いたほうがより耳に入っていくし感情を揺さぶられる。私はMVだと歌詞や歌声よりどうしても映像に意識が集中してしまう。最初に曲の情報を目と耳でなく耳から入れたかったんだと、とってつけたいい話風の言い訳ができあがった。
満を持してリリースされた推しの曲たちを聴きながらの出勤は足がとても軽く、毎日歩く見慣れた通勤路が新鮮で輝いて見える。
アルバムのリード曲でありながら影があって、過去と現在の自分との葛藤を抱えながらも希望を見出し前を向こうとする背中を押してくれる曲をMV公開から1か月後にはじめて聴いてすごく心が温かくなった。思い詰めてるときに「頑張れ!」ではなく「頑張ってるよね」と言ってもらえたような、悩みやつらさを話したとき否定されずどうしたらいいか一緒に考えてもらっているような、悩みに悩みぬいて自分なりにどうにか立ち上がろうとしているのをある時は後ろから見守って、またある時は目の前で待っていてくれているような、聴いているとふとした時に涙が出てしまいそうになる心地よさだった。
リード曲の他にも何度も声を張りあげるライブで盛り上がりそうな曲、ウェットな曲たちの中で光る明るいポジティブな曲、恋の曲、ペットのことを想ってすごく愛しそうに歌う曲とバラエティに富んだ聞き応えのある楽曲たちに大満足な出来のアルバムだった。高音が本当に上手くて綺麗なんだよなあ。
発売された後になってアルバムトレーラーが公開されていて収録曲全部をお試し視聴ができることを知った。どうしようもない情弱すぎる
CD発売日よりも前に公式がYouTubeにMVをアップして曲をフルで聴けてしまう現代だけど、一切の事前情報を入れず初めてこの耳で聴いたときの感動は大きかった。

寒さですべてのやる気を奪われた私が推しのアルバムを無事に発売日にゲットするまでのお話でした。
どうしてこう、推しに活力をもらっているオタクってのは、推しに関する話を長々とドラマチックに書いてしまうんだろうな!すべて事実だから誇張ではないけど!本当に面白いな!!!


アルバム発売おめでとうございます