帰ってきたブログ生活(2nd)

昔→PMDD闘病記 今→書きたいこと何でも書く雑記ブログ

こころ安らぐ場所

昨年私は散々な目にあって結構な人間不信に陥った。誰とも何も話したくないし人間を信用できなくなった。もののけ姫のサンのような勢いで「人間なんか大嫌いだ!」と叫びたかった。
そんな当時の私を救ってくれて、今もお世話になっている場所がある。ここはインスタグラムではないので店名や詳細は省くが、もしあなたも知っている店でかつお店のスタッフやオーナーだった場合は何も見なかったことにしてほしい。

まずひとつめが大事な友人とはじめて入ったメイドカフェだ。メイドカフェである。

写真のサイズがバラバラで申し訳ない。
都内で遊んでいたときたまたまメイドカフェの看板が大事な友人の視界に入ったのがきっかけだった。人生でメイドカフェに入ったことはない。内容のわりに高価なイメージがあり人間不信に陥った私はとても初対面のメイドさんと萌え萌えジャンケンなんてできる気分ではない。内心勘弁してくれよと思っていた。笑
ひとりでなら絶対に入ろうとも思わないが、大事な友人の勢いを借りて人生初のメイドカフェへ入店した。
はじめてのメイドカフェは想像以上にめちゃくちゃ楽しかった!!
女2人で入ってきた私たちにお店の説明を丁寧にしてくれて、「どこから来たの?」「どうしてここに入ろうと思ったの?」「何が好きなの?」と気さくに話しかけてくれる。よく知らない人と会話をするのをひどく恐れていたはずなのに、自分のことを話すのが苦手なのにあれこれ聞かれても不思議と嫌な気分にならなかった。メイドさんと言えども労働なのだから当然の対応なのかもしれないが、そのコミュニケーション力に当時の私はとても感動した。誰にでもできる仕事ではない。みんな可愛いしどうしてあんなに腰が細いんだ。

写真左のオムライスを注文するとメイドさんがケチャップでお絵かきをしてくれるそうなので、荒んだ心が和むようなラブリーな絵と当時人の温かさや愛に飢えていたので初対面のメイドさんに「大好き」と書いてもらった。重すぎる。そしてこのオムライスはとても美味しい!可愛い、優しい、美味しいの3点セットですっかり心が温かくなった。
写真右は何度か通って顔見知りになったメイドさんにお絵かきしてもらったカフェラテ。私の好みに合うようなソフトドリンクは正直ないのだがアルコールの種類が豊富なのがとても魅力的で昼から飲んだこともある。
当時の私は人と会話ができないと思い込んでいたのだが、メイドさん達と普通に問題なく会話のやり取りができたので自分自身がかけた呪いで勝手な思い込みだったのが発覚した。だから人間不信を抱え込んでいたときに来て正解だったのだと思う。メイドカフェは内容のわりに高価という私の偏見を打ち砕くように都心のカフェのわりにはリーズナブルな価格設定で、人の出入りも激しくないし店員に大声で偉そうにする接する輩もいない。知る人ぞ知る店の雰囲気が好きだ。ここへ来るといつも2000円くらい注文してしまうのだが料理は美味しいので妥当な値段だし毎日ここでランチしているわけでもないし、何より楽しい場所なのでケチなことはしたくない。
ちなみに萌え萌えジャンケンはなかったので安心した。

次は職場の近くにある個人経営のカフェバーだ。

ここに入ったきっかけは「間違えたから」である。本当はもう少し先にあるパンケーキ屋に入りたかったのだが間違えてしまったんだ。すみません店を間違えましたとも言えず案内されるまま席に座ったのが始まりだった。
話を聞くと長年勤めた仕事を辞め貯めたお金で修行し慣れない町でひとりカフェを開いたそうだ。私が初来店した当初はオープンしてまだ1か月ほどの出来立てホヤホヤだった。新しい仕事をはじめてまだ落ち着かない私は見慣れない場所でひとりカフェを開いたオーナーと自分を勝手に重ねていた。オーナーのこだわりが伺える内装でお願いすると弾き語りをしてくれる。私は楽器が何もできないので演奏できる人には敬意を抱いてしまう。最近は次元問わずアイドルやアーティスト声優の曲を好んで聞いているので音楽の話はできない。なので私とオーナーの年代でギリギリ通じるつんく♂の音楽について話している。先ほどのメイドカフェと同様に警戒することなく音楽以外でも自分のことを話せてしまうのだから不思議だ。夜になると照明を少し落として落ち着いた雰囲気のバーになる。そして仕事帰りに寄って作ってもらうカクテルは絶品で疲れた体にとても沁みる。夜の客はほとんど私しかいないので頼まなくてもノリノリで弾き語りをしてくれる。酒を飲みながら人の弾き語りを聴けるなんて最高だ!ひとりで運営してるので大変なことだらけだろうが、オーナーには頑張ってほしい。
このカフェバーの居心地がよくて当初行きたかったパンケーキ屋のことはどうでもよくなった。

最後は通いはじめてもう5年になるメンタルヘルス科の診察室だ。
通い始めた当初の私は「医者に相談したら全部解決してくれる」と他力本願で人として未熟な部分だらけでよく衝突し泣きながら診察室を出たこともあった。こればかりは私が未熟だとしか言いようがない。医者は患者の人生を導く神様ではないのだよ。
環境を変えたり色々な考え方を勉強していくうちにようやく自分の中に自我が芽生え、もっとこういう話がしたい困っていることをとりあえず聞いてほしいと自分が主体の診察ができるようになった。メンタル系の病院は特に自分から話さないと意味がない。今まではどこへ行っても医者が主体の診察で私は聞かれたことにしか答えられず次の予約の話をされ言いたいことの半分も言えずにいつも診察室を後にしてから後悔していた。
先日書いたブログのようなことを話したら「それは違う、そんなことはないよ」と断言してもらえた。通いたての私なら「どうしてわかってくれないんだ!」と喚いただろうが、気にしすぎて考えすぎてすぐ被害妄想が膨らむ人間にとっては下手な共感より「それは違う、考えすぎ」と率直に訂正してもらえるほうが有難いのだ。何なら話してる最中に自分でも「それはおかしいだろう」と気づいてあまりのおかしさに爆笑してしまった。ひとりで抱えず人に話すことで初めて気づくことってあるよね。
最近は不眠やうつ状態もないので月1回の通院は別に必要ないのだが、とても他の人には話せないことを聞いてもらっているので半分カウンセリングのようになっている。なので月1回の通院をなくしてしまったら胸の内を吐き出せず溜め込んで勝手に爆発することだろう。通院はほどよいガス抜きになってくれている。

紹介したものすべてが金を払ってサービスを受けるものなので「お前には相談できる人はいないのか?」と思われたことだろう。だからいいのだよ。一時期人の相談を聞かされまくっていた私は困りごとや悩みを人に相談できない。悩みを聞かされる側のしんどさを知っているからだ。忙しい中せっかく会ったのに私の暗い話に他人を付き合わせるのが心苦しくなってしまう。ずっと自分ばかり話してしまいそうで上手く相談できない。そんな私にとって金を払うことで話を聞いてもらえる場所というのは自分の話をするのにぴったりな環境かもしれない。昔はそれが病院だけだったのだがカフェという存在も増えて嬉しい。労働といえども相手も人間なので上手に付き合っていきたい。